認定調査は介護のサポートを受ける上で欠かせないステップです。私のケアマネージャーとしての経験から、認定調査の重要性と成功のポイントをご紹介します。これから認定調査を受けるかたや、認定調査の結果が思っていたものと違って困った際にはこの記事を一度みて確認してみてください。
一緒に確認していこう!
認定調査は重要なの?
認定調査は、介護が必要な方が公的な支援やサービスを受けるための大切なプロセスです。その重要性は以下の点にあります。
なぜ認定調査が重要なのか?
- サポートを受けるための基準: 認定調査は、介護保険や福祉サービスを受けるための基準(介護度)を確定します。介護が必要な方が公的な支援を受けるためには、認定調査の結果が必要です。
- 適切な支援の提供: 認定調査は、被介護者(介護が必要な人)の状態や必要な支援の内容を正確に評価します。この評価に基づいて、適切な介護サービスや支援が提供されることが保証されます。
介護の基準(介護度)によって使える介護サービスの内容が変わるよ!
きちんと認定調査をして状態を把握してもらって、必要なサービスが使えるように適正な結果が出てもらわないとだよ。
認定調査の結果で使えるサービスの内容は?
認定調査の結果で要支援もしくは要介護状態と認定が出ると、介護予防サービス、介護サービスの利用ができるようになります。
介護サービスの種類
- 自宅で受けれる訪問サービス:訪問介護・訪問入浴・訪問看護・訪問リハビリテーションなど
- 施設などに通う通所サービス:デイサービス・デイケアなど
- 施設に入所する施設サービス:特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・グループホームなど
- 短期入所(ショートステイ)
- 福祉用具貸与/販売
認定調査をする意味とは?
- 公正な評価とサービス: 認定調査は公的な機関が行うため、客観的かつ公平な評価が行われます。これにより、介護が必要な方々に公平にサービスが提供されます。
- 支援の的確な調整: 認定調査の結果をもとに、介護計画や支援プランが策定されます。被介護者の状態やニーズに合わせて、適切な支援が調整されることが重要です。
きちんと講習を受けた認定調査員が調査をするよ
認定調査員による認定調査後は、介護認定審査により「どれ位、介護サービスを行う必要があるか」を判断します。審査は二段階あり、以下のようになっています。
一次判定:調査結果及び主治医意見書の一部の項目はコンピューターに入力され、全国一律の判定方法で要介護度の判定が行なわれます。
二次判定:一次判定の結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会による要介護度の判定が行なわれます。
認定調査を受ける際のポイントとは?
なんの準備もなく認定調査を受けるより、事前にポイントを知っていた方が、皆さんの気も楽だと思います。一緒に確認していきましょう。
主治医に心身の状態を正しく把握してもらいましょう/主治医意見書のお願いの仕方
認定調査が行われるより前、できれば介護の申請をする前に主治医医を決めて受診をしておきましょう。
要介護認定で必要な「主治医の意見書」は二次判定の場である認定調査会において重視されます。介護の申請をする前に受診し、「介護の申請をしたいので主治医の意見書をお願いします」と伝えておきましょう。その際に、実際に家で困っていることも話しておくと、主治医も状況が分かるので意見書が書きやすいと言っていましたよ。
介護の申請前に受診して話しておこう。
本人の前では言いにくい時は、別に時間をとってもらうように受付で話したりメモを渡すのもいいよ!
もしかかりつけの病院がない場合は、地域包括支援センターに相談して近隣の病院を紹介してもらいましょう。
認定調査の項目に関してどんなものか事前に確認しておきましょう
認定調査の際、質問される項目の数は全部で74項目もあります。何を質問されるのかわからないまま、質問に答えようとすると、普段から思っていることでもうまく伝えられないですよね。どんなことについて質問されるのかを事前に調べて、自分なりに回答を整理しておきましょう。
私は説明が下手なので、事前に確認したい派
調査項目はこちらから確認できます⇨厚生労働省HP
本人だけでなく、家族も同席しましょう
認定調査は本人のみでも可能ですが、なるべく時間を作って日頃の状況がわかる人が同席しましょう。本人だけだと普段とは違う結果が起こったりして、本来伝えたいはずの日頃の困っていることが認定調査員に伝わらないまま終わってしまう可能性が高いです。
※本人の認知機能は全く問題がない場合で、家族も本人だけで大丈夫と納得している場合は本人のみでも大丈夫な市町村もあるようです。
普段同居していない身内が立ち会って、何も状況知らないまま「出来る、出来ている」で話が進んで介護認定が軽く出ちゃって再度申請になったケースも・・・
困っている状況を正確に伝えましょう〜事例あり〜
具体的な事例や日常生活での困りごとを説明し、認定調査員との対話を通じて被介護者の状態を理解してもらうことが成功の鍵です。
いつもは出来ないのになんで!?
認定調査の時に調査員さんの前で張り切っちゃって普段は出来ていないのに出来ちゃったりすることはよくある出来事です。そんな時は、家族から「普段の様子、家族がどんなときにどのくらいの手伝いをしているか、どんな手間がどのくらい掛かっているか」を必ず調査員の方に伝えましょう。調査員はその時のご本人の状態しかわかりません。普段ご家族がどんな大変な思いをしているかなんて、家族が補足しない限りわからないのです。
調査時、本人の前で言いにくいことなどは、日常的に困っていることを分かりやすいように箇条書きなどにして調査員に渡すのもアリです。以前、調査から帰る際に車まで追いかけてきて説明してくれた家族さんもいました。
2つ事例を挙げますので、家族の認定調査を受ける際の参考にしてみてください。
◎認定調査員に対して、普段の父親の起き上がりや移動についての困難さを説明します
例:いつもはベットからひとりで起き上がれず、妻が都度引っ張って起き上がる手伝いをしているが妻も腕が痛みがあるため負担が大きい。トイレや茶の間までの移動も一人ではふらついて転ぶため妻が腕を掴んで付き添っている。転んだ際は二人がかりでないと起こせない。先週、家族不在に時に転び、起き上がれずその場で横になったままでいたことがあった。ひとりで起き上がり動作や移動が安全に出来るように福祉用具を使いたい。
◎認定調査員に対して、母親が認知症で心配であることや日中の留守番が困難であることを説明します。
例:日中は1人で留守番になるため家族がお昼ご飯を準備しておいておくが、忘れて食べない日が週の半分はある。水分は飲んでいるのか不明なので脱水も心配。歩行にふらつきもある。出掛けたまま迷子になって家に帰れなくなったりすることが増えていて仕事中も連絡が来ないか心配。日中にデイサービスやデイケアに行き、食事や水分摂取、体重管理、認知機能や身体機能の維持のために支援してもらいたい。常に見守りはできないので、自治体で見守りサービスなどもあれば知りたい。
経験者が語る成功の秘訣〜まとめ〜
最後にもう一度確認ポイントをまとめます。
- 準備の徹底: 認定調査前に、被介護者や家族の日頃の状況を把握し、必要な書類や資料を準備しておくことが重要です。疾病に既往歴なども準備しておきましょう。
- 正確な情報提供: 認定調査で求められる情報や介護の実態を正確に伝えることが重要です。被介護者の日常生活や身体機能の状況、介護の必要性や家族が実際に行なっている介助内容などを具体的に説明しましょう。よく見せようとして控えめに言ったり、大袈裟に答えたりしないようにしましょう。
- 協力体制の構築: 初めての認定調査においては、医師と連携し、被介護者の状況や支援ニーズを共有し合うことで、より適切な認定を受けることができます。
- 受け入れ態勢の整備: 認定調査においては、調査員との円滑なコミュニケーションと環境整備が重要です。落ち着いた雰囲気を作り、調査がスムーズに進められるような姿勢を示すことがポイントです。調査員が情報を聞き出す努力をする一方で、申請者側も情報を伝える努力をしましょう。
今回の記事では、認定調査の重要性と成功のポイントを確認しました。
この記事を通じて認定調査のポイントを事前に知ることで、適切な介護サービスが受けれるように焦らずリラックスして認定調査に臨めることを願っています。
自分だけで抱え込まず、適切な介護サービスを受けながら、介護者自身の生活も大切にしていきましょう。これから先も安心して介護を進めるために、一緒に当ブログで確認していきましょう。
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